フラットライナーズ(Flatliners)


1990年のアメリカ映画。タイトルは、心停止状態のグラフが平ら(フラット)であることに由来する。


お話は、医学生4人が、人為的に心停止状態を作り出して死後の世界を確かめようとする「野心的な試み」と「思わぬ副作用」を描き、人間の「罪深さ」をそれなりに掘り下げている。


人間の「罪深さ」とは、ここではちょっとひねりが加えられていて「罪(悪感の根)深さ」を意味している。


医学生のネルソンたちが苦しむ「思わぬ副作用」とは、過去に自分の犯した(と当人が思っている)罪の相手(被害者)が亡霊となってどこからともなく復讐しに来ることであった。

自分自身の罪意識がネルソンの顔を傷だらけにし、レイチェル(ジュリア・ロバーツが演じている)の生きる意欲をくじき、女ったらしのジョーを女性恐怖にさせ、デヴィッドに悪罵を投げつける。


── とくに凝ったCGや仕掛けが加えられているわけではないが、スピード感のある映像、まるでどこかのロックバンドのような医学生4人のヘアスタイルw、わかりやすいストーリーなど、それなりに楽しめた。


とくに、作中それなりの時間を占める4人のケンカ腰の掛け合いは、いかにも学生っぽくガサツで、「野心的な試み」がよく描写されている。

このため、死後世界の探求という冷暗色になりがちなテーマにも、上向きで爽快な気持ちが加わり、なかなか小気味よい作品になっていると思う。


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